2014年04月
民度の高さでいえば台湾・香港の後塵を拝していることがまた明らかになったわがニッポン低国。
日経新聞から出ていた「若大将の履歴書」に興味深い記述が。
「僕は米国で射撃の経験があるから、実弾射撃時の反動を熟知している。
しかし、当時の日本映画界ではまるで無視されていてリアリティーがないのが不満だった。
”狙撃”の撮影では、空砲を撃つたびに反動を受けている演技をしたが悪くない出来だったと思う。
不満だったのが擬音。実弾は決して”バキューン”なんて音でない。
僕は米国で実弾の音を録音してきていたから、その音に全部差し替えてくれと東宝に言いたかったくらいだ。
実際の射撃では跳弾の音がするのだが、日本では判で押したようにアフレコで”バキューン”を入れる。
後にスピルバーグの”プライベート・ライアン”を見るとフゥーンという効果音がしっかり入っていて、銃声のリアルさに感心した。」
このあたりのこだわりからトビー門口の名前に繋がるというのは?
この本には他にも面白い箇所があり、71年ころの話で撮影所長が経済的に厳しい加山に何回も百万円を渡して援助していたが、託された男が全額着服していたのが後になってわかったなんていう。
高峰秀子がプロデューサー青柳信雄にギャラを横領されていたというエピソードを思い出してしまいます。
「僕は米国で射撃の経験があるから、実弾射撃時の反動を熟知している。
しかし、当時の日本映画界ではまるで無視されていてリアリティーがないのが不満だった。
”狙撃”の撮影では、空砲を撃つたびに反動を受けている演技をしたが悪くない出来だったと思う。
不満だったのが擬音。実弾は決して”バキューン”なんて音でない。
僕は米国で実弾の音を録音してきていたから、その音に全部差し替えてくれと東宝に言いたかったくらいだ。
実際の射撃では跳弾の音がするのだが、日本では判で押したようにアフレコで”バキューン”を入れる。
後にスピルバーグの”プライベート・ライアン”を見るとフゥーンという効果音がしっかり入っていて、銃声のリアルさに感心した。」
このあたりのこだわりからトビー門口の名前に繋がるというのは?
この本には他にも面白い箇所があり、71年ころの話で撮影所長が経済的に厳しい加山に何回も百万円を渡して援助していたが、託された男が全額着服していたのが後になってわかったなんていう。
高峰秀子がプロデューサー青柳信雄にギャラを横領されていたというエピソードを思い出してしまいます。
⇩周知のようにこの第4原発はゼネラルエレクトリックが受注していますが、タービン・原子炉は東芝・日立・三菱の実質日本製原発です。
日本映画専門ch.でオンエアされた西村潔監督作「薔薇の標的」(1972)。
劇中の香港ロケ部分にちょっと驚きました。時期としては「燃えよドラゴン」のほぼ1年前という香港を記録しているという貴重な映画といえるのでは。
まだ埋め立て途中の銅鑼灣付近(SANYOや味の素の巨大看板)の空撮、ちゃんと予算をかけていますというシーンがあのころの香港映画のレベルとの違いを見せつけてくれます(銃はFN L1A1では? 当時イギリス軍で使われていたので香港駐留軍の実銃をレンタルしての撮影という可能性も)。
石板街(ポッティンガーSt.)を歩くなんて今だったら当たり前の香港ロケ風景ですが、70年代初期にきちんとこういう撮影をしている日本映画、ある意味で映画製作のレベルの高さを感じさせてくれるシーンです。
ハッピーバレーの聖ミカエル・カトリック墓地を歩くカット、チャペル背景の急斜面にある墓地からの撮影。
真っ赤なジャガーで通りを走るという、絵として狙いすぎではありますがこういうカットはよく香港ロケをやっていた東映には無理だなぁと思わせます(カメラは西村潔作品が多い原一民)。
注目はスナイパー加山がオーシャン・ターミナル屋上の駐車場を歩く標的を狙うという場面。
今はマルコポーロ・ホンコンに改名された旧ホンコン・ホテルの客室からの撮影というのが実に珍しい(狙撃に使う銃は、M1ガーランド?)。
岡田英次との場面、背景に渡船街が見えているのでジャガーを停めているのは今ではジョージ5世記念公園に含まれてしまった旧広東道と思われます。
出演もしているトビー門口による銃器描写はこの時代としてはトップクラスなんでしょうが、ラストでの弾着用ホースが足元から延びているのがモロに映っているのには啞然! 撮り直しする余裕がなかったんでしょうか?
というわけで、香港ロケ部分の充実ぶりに比べ国内部分の空虚さが目立つ残念な仕上がり。
劇中の香港ロケ部分にちょっと驚きました。時期としては「燃えよドラゴン」のほぼ1年前という香港を記録しているという貴重な映画といえるのでは。
まだ埋め立て途中の銅鑼灣付近(SANYOや味の素の巨大看板)の空撮、ちゃんと予算をかけていますというシーンがあのころの香港映画のレベルとの違いを見せつけてくれます(銃はFN L1A1では? 当時イギリス軍で使われていたので香港駐留軍の実銃をレンタルしての撮影という可能性も)。
石板街(ポッティンガーSt.)を歩くなんて今だったら当たり前の香港ロケ風景ですが、70年代初期にきちんとこういう撮影をしている日本映画、ある意味で映画製作のレベルの高さを感じさせてくれるシーンです。
ハッピーバレーの聖ミカエル・カトリック墓地を歩くカット、チャペル背景の急斜面にある墓地からの撮影。
真っ赤なジャガーで通りを走るという、絵として狙いすぎではありますがこういうカットはよく香港ロケをやっていた東映には無理だなぁと思わせます(カメラは西村潔作品が多い原一民)。
注目はスナイパー加山がオーシャン・ターミナル屋上の駐車場を歩く標的を狙うという場面。
今はマルコポーロ・ホンコンに改名された旧ホンコン・ホテルの客室からの撮影というのが実に珍しい(狙撃に使う銃は、M1ガーランド?)。
岡田英次との場面、背景に渡船街が見えているのでジャガーを停めているのは今ではジョージ5世記念公園に含まれてしまった旧広東道と思われます。
出演もしているトビー門口による銃器描写はこの時代としてはトップクラスなんでしょうが、ラストでの弾着用ホースが足元から延びているのがモロに映っているのには啞然! 撮り直しする余裕がなかったんでしょうか?
というわけで、香港ロケ部分の充実ぶりに比べ国内部分の空虚さが目立つ残念な仕上がり。
独Amazon.comを眺めていたところ、新リリース情報が。
ユニバーサルの4作品、ワイルダー「フロント・ページ」とサークの代表作(唯一の西部劇「アパッチの怒り」を含むというのが理解に苦しむところですが)が5月発売とのこと。
アメリカ本国に先んじてドイツがBlu-ray発売をするパターンが定着しつつあるので、この5作もその後イギリス~北米で発売になるのではと期待大です(FOXのように日本語字幕収録も期待してしまいます)。
これでお高いクライテリオン盤「天はすべて許し給う」に手を出さずに済むとホッとする方も少なくないのでは。
ちなみに、珍しく日本が先行発売となったフォードの「荒野の決闘」は6月発売とのこと(既発売のフォード作品には日本語字幕が収録されていたのでこれも恐らく?)
ユニバーサルの4作品、ワイルダー「フロント・ページ」とサークの代表作(唯一の西部劇「アパッチの怒り」を含むというのが理解に苦しむところですが)が5月発売とのこと。
アメリカ本国に先んじてドイツがBlu-ray発売をするパターンが定着しつつあるので、この5作もその後イギリス~北米で発売になるのではと期待大です(FOXのように日本語字幕収録も期待してしまいます)。
これでお高いクライテリオン盤「天はすべて許し給う」に手を出さずに済むとホッとする方も少なくないのでは。
ちなみに、珍しく日本が先行発売となったフォードの「荒野の決闘」は6月発売とのこと(既発売のフォード作品には日本語字幕が収録されていたのでこれも恐らく?)
なるほど、こういう映画製作のために愚劣なCMに出演し続けているトミー・リー・ジョーンズということでした。
リュック・ベッソンのユーロコープとの合作によるウェスタン。
リュック・ベッソンのユーロコープとの合作によるウェスタン。
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