杜琪峯
予告編中で目を引くのが車椅子が階段を転げるカット、これは当然「戦艦ポチョムキン」の”オデッサの階段”からの引用?(新人監督がこんなことをやったら失笑ものですが)
ポリス・アクション物の打ち止めとして、これでもかと自作からの引用や活劇演出の集大成といえる作品に仕上がっているのではという期待が。
上映中の劇場に問い合わせたところ、スクリーンサイズはオリジナルのシネスコサイズとのことでした。
考えてみたら、この映画は日本での上映はこれが初めてなわけで足を運ぶ価値ありかなと。
14年前の旧正月直前に訪れた時の旺角・南華でのモーニングショーのスケジュールに組まれていたのに観られなかった悔しい思い出が蘇ってきます。
「毒戰」北米盤、Well Go USAより10月15日発売とのこと。
オリジナルの野暮ったさを払拭して、思わず欲しくなるジャケット・デザイン。キングレコード他の国内ビデオ・メーカーにはこのセンスは逆立ちしても無理でしょう。
2011年の秋以来なので、ほぼ二年振りの「奪命金」。
近所で上映が始まったので、そぼ降る雨の中を出かけてきました。
ドキュメンタリーが終わってもスクリーン・サイズが変わらないにビックリ! 結局、ビスタサイズでの上映でした。
これ当然ですがシネスコサイズの作品です。
こんなビッグネームの監督作品なのにいいんですか? いいわけが無い!
そのため左右がトリミングされて、画面端で台詞を発する俳優の台詞だけが聞こえて姿が見えずというTV放映の映画状態です。
この状態で最悪だったのが、誕生日会を開いている酒樓でのマネージャーと劉青雲が口論になったところに兄貴分の張兆輝が加わるシーン。画面上に三人並ぶカットなのが左端の兆輝は台詞だけ聞こえるというあまりにもあまりな画面になっていました。
デジタル素材での上映(日本語字幕フォントが汚い)ということは、この画面サイズでソフトも販売するの? 確認のためにAmazonを見てみるとやはりレターボックス・サイズとの表示。
それほどTV画面に上下マスクが出るのを嫌がるのは、局からの要望なのかビデオメーカーの思いこみなのか理解に苦しみます。
併映のドキュメンタリーは、UK盤DVDに収録されている香港でのスタッフや出演者のインタヴューのない純粋な単体作品でした(おしりにカンヌでの「鐵三角」三監督イングリッシュ・トークがおまけ)。
「奪命金」海外版は、いまだに北米盤位のようです。
もっと呆れたのが、「車手」日本盤のジャケット・デザイン。ここまでチープにするか、というくらいの恥ずかしい出来。レンタル店に並ぶC級アクション映画そのまま・・・・香港盤と同じじゃまずい理由っていうと、お客のアンちゃんがこのレベルだからというだけ? とでもいうのかね。キングレコードさん。ただ買ってくりゃHK映画好きが財布の紐をほどいてくれるとでもナメテらっしゃるんですかね(怒)。
本日から始まったHK FILMARTの情報解禁で、「盲探」のティーザーとポスターが出てきました。
秋以降かと推測していた香港の公開は意外に早くて夏休みとのことですから、6月の終わりから7月初旬というあたりでしょうか?(5月のカンヌで披露後、具体的な公開日が出てくるんでは)
大陸マネーの縛りが緩ければ(エンペラーとメディアアジアがメインの出資、それに大陸資本の銀都・ROSATが)これだけ製作者の地が露出するというグロ描写、鄭秀文の出演映画とは思えない映像でこれぞ銀河映像作品! 「毒戰」など所詮、あちら向け映画といわんばかりのスター映画の名を借りたやりたい放題! 「PTU」+「大隻佬」+「神探」のテイストのニュアンスが! 待った甲斐がありましたという映像です。
「神探」が大掛かりなパブリシティなしであれだけ当たったことから・・・・この作品、2000萬HKは間違いなし!と強気の予想をしてしまいます。
ひょっとして、秋のフィルメックスで招待上映もありかなと?
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