香港郊野遊行・續集

香港のハイキングコース、街歩きのメモです。

2022年02月

朝日新聞有料記事より 「仕掛けられた情報戦」

 ロシアのウクライナ侵攻を受け、台湾が中国の動向に神経をとがらせている。台湾世論の動揺を誘う中国の「情報戦」や台湾の離島付近での軍事圧力とみられる動きが続いているためだ。2日には対中強硬派のポンペオ前米国務長官の訪台が予定されるが、米中両政府への刺激を避けようと、危機管理に知恵を絞っている。
 中国メディア「山東商報」の電子版に2月25日、中国政府がウクライナ在住の自国民を飛行機で退避させる活動に、台湾人とされる男性が「感動した」と語る動画が掲載された。

 中国政府は同日、避難機の搭乗希望を募る際、台湾人も対象にすると発表した。動画では男性が「台湾同胞は自身の母親(中国)を愛する必要がある」と叫ぶ画面に、「母の愛は偉大」という字幕を重ねた。
 だが、公開後は台湾のネット利用者から「台湾人が使わない語句が入っている」との指摘が相次いだ。台湾外交部(外務省)は25日、すでに現地の台湾人の避難を実施済みだとし、「中国政府がウクライナの国難を利用し、悪意のある政治宣伝をしている」と批判した。

 台湾の民間団体「台湾ファクトチェックセンター」はロシアの侵攻前の1月下旬にも、2003年のイラク戦争時で市街地が炎上する写真を添えて「ロシアの攻撃が始まった」とうたうフェイクニュースを確認していた。この投稿には「米国が参戦するかは、台湾海峡で戦争が起きるかにも影響する」とも記され、台湾世論を動揺させようとする意図が見て取れる。
 米政府がウクライナ問題に注力するなか、中国による新たな軍事圧力とみられる動きも続く。

 台湾国防部(国防省)によると、2月5日には福建省沖にある台湾の馬祖列島の上空に中国の輸送機「運12」が飛来。このエリアへの進入は珍しい。国防部は「台湾軍の対応能力を見ている可能性が排除できない」と警戒を強める。

 国防部傘下の国防安全研究院で中国軍の動向を研究する許智翔氏は「中国がウクライナ危機に乗じ、台湾を揺さぶっている可能性がある」と指摘する。

 台湾では、米軍のアフガニスタン撤退後、「台湾も見捨てられる」といった中国発の評論が拡散し、世論が動揺した。ウクライナ情勢をめぐり、蔡英文(ツァイインウェン)総統は中国を念頭に、情報戦や軍事動向に警戒を強めるよう指示している。

 台湾には3月2日にポンペオ氏が訪問予定で、滞在中に中国やバイデン米政権の対応を厳しく批判する可能性がある。蔡氏は歓迎食事会を自身ではなく頼清徳(ライチントー)副総統に主宰させる。

 米国政治に詳しい台湾の厳震生・政治大研究員は「ポンペオ氏は将来の政界復帰を目指し、共和党のトランプ前大統領に対する支持勢力の取り込みを狙っている。訪台の目的には中国を刺激し、強いリーダー像を示す狙いもある」と分析する。その上で「台湾はトランプ前政権時代に大きな支持を得た。民主党政権に加え、今は野党の共和党にも保険をかけておく必要があり、中国の出方もにらんだ慎重対応を迫られている」と言う。
(台北=石田耕一郎)
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朝日新聞有料記事より


ロシアのウクライナ侵攻直前の2月15日、英王立防衛安全保障研究所(RUSI)が特別報告「ウクライナ破壊の陰謀」を発表しました。侵攻は1年以上前から綿密に計画され、征服まで視野に入れた何段階もの戦略が用意されている、というのです。ロシアは実際、ここまでおおむね、この筋書きに沿って作戦を進めているように見えます。担当したジャック・ワトリング主任研究員に聴きました。(ロンドン=国末憲人)

 ――ロシアはウクライナに全面侵攻し、軍事施設をミサイル攻撃したうえで、首都キエフの攻略を試みています。これまでの経緯をどうみますか。

 「ロシアはここ数カ月間、ウクライナに圧力をかけ続けてきましたが、譲歩を引き出すことはできませんでした。ロシアはまた、ウクライナの首都キエフなどで反政府運動を仕掛けましたが、ウクライナ政府は挑発に乗らず、適切な対応で切り抜けました。だからロシアは侵攻に踏み切ったのです。キエフと、ドニエプル川以東の主要都市を占拠し、そこに占領軍政権を樹立する計画です」
「ロシアは、世論調査や社会調査をウクライナ国内で実施し、得られたデータをもとに、この計画を立案しました。でも、世論は急速に変化する。ロシアが思い描いたようには、物事は進まないかも知れません」

 ――特別報告「ウクライナ破壊の陰謀」で衝撃的だったのは、プーチン政権が1年以上にわたって侵攻計画を練り続けていたという分析です。その中心にいたのが、ドミトリー・コザク大統領府副長官(元副首相)だということですが。

 「プーチン政権内でウクライナ問題を長年担当していたのは、大統領補佐官だったウラジスラフ・スルコフ氏でした。世論操作による大衆の誘導など、通常戦力とは異なる不正規戦争に関心を抱く政治工学研究者ですが、目立った成果を上げられず、プーチン大統領に更迭されました。その後を継いだのがコザク氏です」
 「コザク氏自身もやはり不正規戦争の専門家ですが、その実践に携わってきただけに、実際のノウハウを身につけた人物です。彼はまた、プーチン氏とも個人的に親密な関係を築いてきました。クレムリンの多くの人物は出身母体を持っているのに対し、コザク氏は一種の一匹おおかみで、プーチン氏自身のために働く人物です。つまり、ウクライナ問題の扱いをプーチン氏自身が掌握したことを意味しました」
「その後、1年以上にわたって彼らは準備と検証を重ね、欧米がどう反応するかも調べました。その結果、軍事面、外交面、経済面でウクライナに圧力をかけつつ、占領に向けた準備を進めるという、極めて体系的な計画が誕生したのです」

 ――ロシアの戦略は、まずウクライナに圧力をかけ、それが利かなければ軍事侵攻する、という2段階のものですか。

 「むしろ3段階の計画だったといえるでしょう。第1段階は、交渉によってウクライナ政府から主権の一部を奪う試みです。具体的には、侵攻をちらつかせつつ、(ウクライナ東部ドンバス地方の紛争の停戦や和解プロセスを定めた)『ミンスク合意』を、ロシアに都合のいい形でウクライナに受け入れさせようとしました。でも、それは失敗に終わりました」
「第2段階は、現在のウクライナ政府を転覆させ、傀儡(かいらい)政権を樹立することです。第3段階は、ロシアが自らウクライナを占領することで、現在はこの方向に向かっています。占領統治の責任者に地元の人を据え、ロシアの情報機関がこれを支えるのです」

 ――ロシアの軍事作戦は、現在まで狙い通りなのでしょうか。

 「ロシア軍は攻撃を開始後最初の24時間で、ウクライナに多数の弾道ミサイルを撃ち込みました。標的は、軍司令部やレーダーから空港に至りました。中でも、レーダーが機能しなくなったのは、ウクライナにとって厳しい。ウクライナ軍の戦闘機が撃墜されましたが、これは友軍による誤射の可能性があります。空の状況がつかめなくなっているかも知れません」

 ――次に来るのは、キエフ包囲ですか。

 「キエフ郊外にロシア軍が拠点を築ければ、応援部隊が次々と来て、首都突入となるでしょう。3日間前後は通常兵器による衝突が続き、その後は市街戦に移ると思います」

 ――特別報告でさらに驚きだったのは、占領への抵抗運動を指導しそうな人物をロシアがすでにリストアップしている、との情報でした。ロシアは1月、サイバー攻撃によってウクライナの自動車保険のリストを入手し、そこから引き出した個人情報をもとに人物を特定したとのことですが。

 「その通りです。ウクライナで市民運動が盛んなことは、ロシア側もよく認識しています。その中には、2014年の民主化運動『マイダン革命』を率いた人々がいます。ロシアの特殊部隊や占領当局は、その人物や団体を標的と定め、自動車保険リストから住所を特定したのでした」
「彼らは『消される』恐れがありますし、本人が見つからない場合は、しばしば家族が標的になります。だから、家族は国外に逃がさなければなりません」

 ――先日ウクライナで取材した際に、「ロシア軍は処刑リストをつくっている」といううわさを耳にしました。

 「その通りです。それがロシアの狙いです」

 ――このあと、ウクライナはどうなるのでしょうか。

 「抵抗運動がどこまで持ちこたえられるか次第です。戦闘が長引けば、多くのウクライナ市民が犠牲になりますが、その代償はロシア市民にも重くのしかかります。すなわち、『この戦争は失敗だった』という意識が、ロシア国内に広がるでしょう。その後、何が起きるかの予想は難しいですが、ロシアにとってのリスクにはなります」
「もし逆に、ロシアがウクライナの社会と制度を押しつぶすことになれば、ウクライナは分裂し、(一部はロシアに)併合されるでしょう。長く抵抗が続くと思いますが、ロシアが厳しく統制すると、それをひっくり返すのは困難です」

 ――この紛争によって国際関係は変わりますか。

 「変わります。私たちは、ロシアが国際社会の一角を担ってほしいと、ずっと願ってきました。(クリミア半島占領と東部ドンバスへの介入が始まった)2014年以降、その意欲は次第に薄れたものの、ロシアが普通の国として振る舞う余地は残っていました。今、その関係は断たれ、欧米とロシアの間にいた国々はどちらかを選ばざるを得なくなったのです」

     ◇

 【RUSIの特別報告書から】

・プーチン政権のコザク大統領府副長官を議長とする調整会合は、1年以上にわたり、対ウクライナの予定表を精査してきた。コザク氏は、サンクトペテルブルク市でプーチン氏とともに働いて以来の側近。かつて、モルドバの紛争に乗じて、現地に(親ロ勢力との)連邦制を導入させようとして失敗した経験を持つ。

・対ウクライナ計画に基づき、ロシアは昨年春に国境での兵力増強を始めた。また、冬の期間にウクライナ国内でエネルギー価格が上昇するよう操作して、政府への市民の不満が高まるよう仕向けたり、反政府運動を組織したりした。

・ウクライナの政界や政府機関には、ロシアの情報員が多数紛れ込んでいる。情報機関内部にも、高官を含めて、ロシアのために働く人物がいる。

・攻撃を始めると、ロシアはまず、レーダー基地や軍の拠点、軍用空港を破壊し、ウクライナの反撃能力を奪うだろう。これによって、地上戦でもロシアが優位に立つことになる。ウクライナ軍の主力部隊は(親ロシア派勢力との紛争が続いているウクライナ東部)ドンバスに釘付けになっており、早急な配置換えは難しい。

・キエフは数日で包囲され得るが、不正規戦部隊が機能しないなどで市街戦になると、チェチェン紛争のようにロシアは行き過ぎた攻撃に走るかも知れない。その政治的代償は大きい。チェチェンの場合と同様に占領統治は難しくなる。

・もしウクライナが崩壊すると、ジョージア(グルジア)やモルドバ、バルカン半島でもロシアは同じ手法を使うだろう。


Jack Watling・・・・英王立防衛安全保障研究所(RUSI)陸戦担当主任研究員。英政策史の研究で博士号を取得。ジャーナリストとしてイラクやルワンダなどで活動した。現在の専門分野は対ロ抑止など。28歳。特別報告は分析研究員ニック・レイノルズ氏との共著で、ウクライナ情報部員らへの聞き取りなどに基づく。RUSIは1831年創立で、安保分野のシンクタンクとして世界で最も古い歴史を誇る。

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今朝の東京新聞から。

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今朝の東京新聞から。

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今朝の東京新聞から。

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今朝の東京新聞から。

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朝日新聞、歌舞伎座劇評(有料記事より)

 第3部、河竹黙阿弥作の「鼠小僧」は29年ぶりだが、これが面白い。開幕前の前説などは蛇足と思うが、前回よりテンポアップしてメリハリがあり、尾上菊之助の生真面目な芸風が、因果に絡め取られて悔悟する主人公によく似合う。義賊としての好意の施しが、ことごとく裏目となって周囲を不幸に陥れ、その報いに苦悩するという展開。

 菊五郎劇団と中村吉右衛門の一座から巧者が腕を競うアンサンブルの中で、尾上丑之助のしじみ売りがいい。29年前は子役時代の尾上松也が語りぐさだったが、今回の丑之助も、黙阿弥のせりふの口調をよく活(い)かしている。

 菊之助の黙阿弥物は、悪の華というだけでなく、因果応報に苦しむ局面まで見せてこそ生彩を放つだろう。それは父菊五郎とは異なる芸風の発見でもある。「御所五郎蔵」「十六夜(いざよい)清心」なら悔悟の果ての最期まで、散切(ざんぎ)り物の「島鵆(しまちどり)」も似合うはずだ。

 「鬼次拍子舞」は、コロナ禍での代役につぐ代役で、坂東亀蔵がよくしおおせた。中村雀右衛門が古風な美しさ。

 第2部では、片岡仁左衛門が一世一代で「義経千本桜」の知盛。義太夫訛(なま)りの確かさ、颯爽(さっそう)たる風姿がいい。「大物浦」での悪鬼のような執念が安徳帝の言葉によって砕け散る様を、美しく、明快に描きつくした。中村時蔵の義経と、市川左團次の弁慶で、舞台が大きくなる。

 ほかに「春調娘七種」。

 第1部は「御浜御殿綱豊卿」、中村梅玉の綱豊は手慣れた役だが時代味を加えたいところもあり、尾上松緑の助右衛門との応酬は、日を追って呼吸がかみ合うだろう。

 「石橋(しゃっきょう)」では中村鷹之資の身体能力から目が離せない。

 (児玉竜一・早稲田大教授)

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今朝の東京新聞から。

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山本太郎、2年8ヶ月ぶりの出番(2/10朝日新聞有料記事より)

昨年の衆院選で国政復帰したれいわ新選組の山本太郎代表が9日、約2年8カ月ぶりに国会で質疑に臨んだ。昨年の臨時国会は発言する機会がなかった。衆院内閣委員会で15分の質疑だったが、落選した経験から「中にいるのと外にいるのでは大違い」と語った。

冒頭、山本氏は政党の議席数に応じて質疑時間が決まる国会の仕組みを踏まえ、「お願い」から始めた。「私たちはなんとたった15分。少数会派にも質疑時間を、民主主義の観点に立ってご配慮いただきたい」。昨年12月の臨時国会では、実質的な審議が行われた委員会にれいわ議員が所属していなかったこともあり、山本氏らの発言機会はなかった。

「すぐに消費に回らないとしても、それぞれのペースで緩やかに使ってもらえば消費喚起につながることははっきりしている」。質疑では10万円給付をめぐり、改めて全国民への一律給付が必要との持論を展開した。「誰に支援を届けるべきか、線引きする能力が政府にない」として、食料支援など困窮世帯への対応に着目した質疑に時間を割いた。

国政復帰後初の国会質疑を終えた山本氏は、記者会見で「質問時間が十分でないなど様々な制約があることはわかっている。そのなかで、この先どう戦っていくか(が大事)になる」と述べた。

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今朝の東京新聞から。

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