
2023年01月



■装い=作法、心構えにじみ出る 崩す前に「楷書体」大事にしたい
毎日の装いを投稿するインスタグラムのフォロワーは4万3千人。服飾文化研究家の赤峰幸生さん(78)は、流行にとらわれないクラシックスーツの着こなしで世界中から注目を浴びている。ラクなのがいいという現代で、なぜネクタイを締めるのか。
70代の半ばでユーチューブでの動画配信を始め、週2回、自身の語りを投稿している。トレンドを追い、大量生産、大量消費を前提としてきた服飾業界にあって、その直言居士ぶりは際立っている。
「流行の服は、いずれ廃れる服。素材に気を使わず、安さにひかれてペラペラの化繊の服を買うことが、いずれ環境に負荷を与えることを想像してほしい」「大事なのは、ブランドで物を買わないこと。だまされるな。視覚だけでなく、触覚もフル活用して、『本当にいいもの』『ずっと愛せる服』だけを買おう」
スーツでは極端に丈が短かったり、ラペル(襟)の幅が狭かったりといった流行の形ではなく、クラシックという「普遍の形」に目を向けてほしい。そんなメッセージが共感を得て、2万回、3万回と再生されている。
■普遍の形には合理性
クラシックスーツ一筋で半世紀。自身の思想を形にしたブランドを運営しながら、知見を生かしてオンワード樫山の「五大陸」などでアドバイザーを務めてきた。
めだか荘と名付けた川崎市高津区のアトリエや、招かれて各地で開く講演会には、高校生や20代といった若い世代も「クラシックスタイルを知りたい」と訪ねてくる。顧客の男性会社員(32)は、「いろいろな情報があふれる中で、流行を追わないという考え方がしっくり来た。スーツをきちんと着た時に男性は一番格好いいと思う」。
若い世代からの関心について、赤峰さんは「あまりモノを持ちたくないミニマリスト志向もある世代。時代の波に洗われて残った『普遍性がある服』を買えば無駄がないという合理性も持ち合わせている。大量生産、大量消費はもういい、持続可能性に目を向けようという新しい資本主義のキックオフを感じています」と話す。
環境省によると、2020年の1年間に国内で新たに供給された衣類は81.9万トン。このうち、78.7万トンは使用後に手放されると推計されている。廃棄されるのは65%にあたる51万トンという。衣料業界に向けられる目は年々厳しくなっている。
■30年着用、シミも味
赤峰さんのめだか荘には、自身が20年、30年と着込んできたスーツが並んでいる。日が当たって色があせ、裾はすり切れ、よく見ればシミもある。「それが味わい。愛着があって体温でなじませた服がいい」と赤峰さんは言う。
ずっと着るためには、布地が丈夫であることが必須だ。赤峰さんが選ぶ素材は、手にした時に厚みやハリを感じるものばかり。ヤギの毛を使ったモヘア生地は弾力があって自然な光沢を放ち、コットンに絹を25%織り込んだ夏素材のコードレーンは、折り目正しさと涼やかさを持ち合わせている。
英国やイタリアの産地に足を運び、独学で学んだ英語やイタリア語を使って素材の吟味を続けてきた。国内でも、質の高いウールで知られる尾州(愛知県)の織り屋に注目する。ゆっくりと織り上げたものにこそ魅力があり、速さを追求した織り機には出せない味わいがあるという。いわく「インスタントではなく、ダシが効いている」と表現する。
「日本人は、昆布だしにいり子だしと、だしの違いを繊細に舌で感じることができる。みそだって信州みそに名古屋の赤みそとたくさんの味わいを生み出してきました。焼き物だって、いいものがたくさんあります。便利で速い生活の中で忘れていったもの、手間暇をかけて作られたものの良さを思い出してほしい」
だが、時代は高速化、カジュアル化している。職場でもノーネクタイの「ラクな」スタイルが増えてきた。そんな時代の中でも、首元が苦しいネクタイを締め、ジャケットを羽織り、クリース(折り目)がピシッと入ったスラックスにこだわるのは、なぜなのか。
「最も大事にしたい『作法』だからです。仕事場など、オフィシャルな場に向かう時は、会う人への敬意から服装を整える。ネクタイをすれば背筋が伸びる。心構えが装いににじみ出ることを伝えたい」。崩したスタイルの前に、まず「装いの楷書体」を大事にしたいと説く。
■「和魂洋装」考え続け
「和魂洋装」という言葉も繰り返し使ってきた。洋装が日本に入ってきてからおよそ150年。体格も感覚も違う中で、英国や米国、フランス、イタリアのスタイルを模倣するのではなく、「ジャパニーズ・ジェントルマン」の装いを考えたいという。「私たちは土鍋で炊いたご飯のうまさを知っている。決して薄っぺらではない文化があります。前に進みたいのなら、一度立ち戻り、本来の私たちの生活の豊かさを見つめ直すことが大切です」
毎朝5時には起きて、自宅近くの多摩川の河川敷を歩く。明けてゆく空を見上げ、花を付けた野辺の草に目を落とす。寒さの中に春の訪れを感じれば、そろそろ明度を上げた装いの季節だと心が浮き立つ。
染料にターメリックを使った黄土色、タケスミを用いた淡いベージュ、クルミのアイボリー。微妙な色彩はすべて自然の中にある。天然素材で染めた時に、どのような発色が生まれるのか、資料を集め、研究を怠らない。
だから、ブラックスーツで事足れりとする若者や、作業服のようにダークスーツを着る中高年の集団を見ては、惜しいと感じる。これからは一層、「感じる心、感動する力」が大切だと考えているからだ。
「同じようなスーツを着て、時間に追われて働き、経済性を追うことには限界が見えてきました。いつまでも経済を軸にした考え方では行き詰まる。これからの日本人には個性や知性、創造性をより発揮することが求められると思います。自分らしい装いをして気持ちよく過ごしたいという情動が、人に感動を与える仕事にも通じるのではないでしょうか」
1月末からまた、イタリアへ出掛ける予定だ。
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あかみね・ゆきお 1944年東京都目黒区碑文谷生まれ。伯父の社会学者、清水幾太郎の勧めで桑沢デザイン研究所に入学。卒業後、いくつかのアパレル会社を経て、90年に株式会社「インコントロ」を設立。オリジナルブランドを展開する。

英米独3カ国が、主力戦車をウクライナに提供します。米「M1エイブラムス」はどのような戦車なのか。ウクライナを巡る戦局を握るカギは何か。戦車部隊の指揮官を経験した高田克樹元陸上総隊司令官(元陸将)は「西側の兵力供給はまだ最終段階には至っていない」と語ります。
――エイブラムスはどんな戦車なのでしょうか。
2010年ごろ、ヤマサクラ(日米共同方面隊指揮所演習)に参加しました。シミュレーションで戦車の能力を数値化した際、エイブラムスを100とすると、陸上自衛隊の90式戦車が90程度でした。私が「同じ120ミリ砲だし、能力も遜色ない。おかしい」と抗議すると、米軍将校は「疑問はもっともだが、指揮統制能力がまったく違う」と答えました。
米軍は旅団以下の戦闘指揮システム(FBCB2)を導入しています。エイブラムスの画面には、同じ旅団の戦車はもちろん、ハンビー(高機動多用途装輪車両)など全ての装甲車両の位置が映し出されます。
自分の正面に敵戦車を見つけた場合、砲弾を発射しても装甲が一番厚い正面しか狙えません。でも、離れた位置にいる味方の戦車なら、敵戦車の装甲が弱い側面を狙えます。
エイブラムスは夜間戦闘能力も優れています。熱映像装置を備え、車長潜望鏡は砲塔と無関係に360度回転します。夜でも全周囲を昼間のように見渡せます。1991年の湾岸戦争の際、エイブラムスは、イラク軍のソ連製T72戦車を圧倒しました。FBCB2は湾岸戦争以降、導入されています。今回引き渡されるエイブラムスは最新式ではないでしょうが、多少型が古いタイプにも同じシステムが備わっていると思います。
――ウクライナの戦車兵の教育が大変なのではないですか。
米軍の教育システムでは、戦車4両を指揮する小隊長を20週間、約5カ月かけて養成します。陸自は8カ月かけます。車長、砲手、操縦手、装塡手すべての役割を教え、敵の兵站基地や指揮中枢などの「重心」を探し、放胆な包囲行動により、これをたたくという、いわゆる機甲戦術を教えます。
ウクライナの戦車兵の教育に20週間もいらないでしょうが、戦闘指揮システムを使いこなすのは大変でしょう。自軍の他の装甲車両の位置や動きを頭に入れながら、どのように行動するのか瞬時に判断しないといけません。
装備の供給、補給・整備などの後方支援、戦車兵や整備兵などの教育訓練をフルパッケージで提供して、最低6~8週間はかかるでしょう。
――エイブラムスはガスタービンエンジンですが、補給は問題ありませんか。
軽油を使うディーゼルエンジンを備えた独レオパルト2や英チャレンジャー2は、ウクライナ軍戦車と同じ燃料を使えます。ただ、エイブラムスはJP-8と呼ばれるジェット燃料を使うため、ウクライナ軍ヘリコプターの燃料を流用できるでしょう。
燃料の補給路の確保が重要になります。ロシア内で最近、ウクライナの鉄道網の破壊を主張する声が出ているのも懸念材料です。燃費も悪いですが、エンジンはディーゼルよりもコンパクトなので、燃料タンクは他の戦車より大きく、燃料を一度に大量に補給できます。一度給油すれば、400~500キロは走行できるでしょう。
――高田さんが指揮官なら、更に何を求めますか。
ウクライナ軍の反転攻勢は、融雪期が終わり、道路以外の場所でも走行できるようになる3月ごろだと言われています。それまでにまず、新たに支援された戦車に対応する教育、補給、整備のシステム構築を終える必要があります。
私なら、航空戦力の提供を求めます。戦車は敵陣を深く突破し、指揮中枢などを破壊して敵を混乱させて後退させるのが役目です。
しかし、戦車だけ投入しても、戦車対戦車の消耗戦に陥る危険性があります。できるだけ、戦車戦に持ち込む前に敵の補給基地や防空能力を攻撃しておく必要があります。ウクライナ軍は航空兵力が絶対的に不足しています。
侵攻緒戦で、ロシア軍の対戦車ヘリコプターが60機も撃墜されました。ヘリは山の稜線(りょうせん)に隠れながら敵に接近して攻撃しますが、平原地帯が広がるウクライナでは隠れる場所がほとんどありません。ウクライナ軍には、ヘリではなく地上攻撃ができる航空機が必要です。地対地ミサイルや(曲線を描く)榴弾砲、ピンポイントで攻撃できる(高機動ロケット砲システムの)ハイマースなども有効です。その意味で、西側諸国の対ウクライナ兵力供給はまだ、最終段階には至っていないと思います。
――エイブラムス、チャレンジャー、レオパルトはそれぞれ高性能ですが、T72も含め、種類が異なる戦車が混在して大丈夫でしょうか。
3大戦車はそれぞれ、戦闘指揮システムを備えていると思います。ただ、英米独では使用している周波数も違うでしょうから、異なる戦車同士での情報共有には限界があります。ウクライナを支援する国々は独立国家ですから、このような事態はある程度仕方がないと言えます。
ウクライナ軍は今を生き抜くことで精いっぱいですが、軍の将来を考えたら決して良いとは言えません。
現代で、一国で自国の平和を守ることには限界があります。同盟関係のない国がどのような運命をたどるのかを、ウクライナ軍の姿が如実に示していると思います。
(牧野愛博)


国立劇場建て替え前の最後の初芝居。14年前の上演作の改訂、新配役上演。
ドラマの軸となる羅漢小僧・小吉の菊之助は悪党ぶりとは裏腹な生真面目さも気になるが、「育ちの良い尾花屋の若旦那・小三郎が身を持ち崩した性根」を一貫させる点に彼の優れた主張がある。清元女師匠おわかの梅枝が盛りの花で、やや淋しい陰翳も添う。恋仲を裂かれる小三郎との対座で歌舞伎らしい濃密さが出たのは、手柄である。おえんの尾上右近が実に良い女ぶりで代稽古に「落人」を披露するのが本職だけあって嬉しくなる巧さ。楽善門下・やゑ六が妹分おいとに扮し三味線を弾き、これが実に立派である。角太夫女房おもとの時蔵は苦労人らしい実意を見せて芝居に厚みを与える。
出番は少ないが、遠山金四郎の菊五郎が突出した存在感。彼が出るだけで舞台がひときわ燦然(さんぜん)とするのは凄い。丁稚辰吉の丑之助は子役ながら芝居巧者。嫌みのない熱意と役者ぶりは銘記すべきだ。
とはいえ注文もある。主要人物が一人として命を落とさず、「遠山裁き」の量刑も軽微。上演台本が整理され「筋売り」に傾いた。武家崩れの短筒強盗・生田角太夫の松緑と破戒僧・天学の彦三郎、適役2人の佐渡金山御用金をめぐる死闘も虚しく、次幕「北町奉行所白洲の場」であっけなく両人和解となるのは、何とも肩すかしである。
明治の作者・竹柴其水は師匠の黙阿弥よりも「江戸歌舞伎らしい芝居」を模索した。幕府の禁制が解けた近代人の感覚で濾過された世話物は、ドラマの割り切りが過ぎ、役者の芸に寄せる信頼が薄らぐと、口当たりの良い現代のテレビ時代劇に限りなく近づく。公演冒頭、菊之助による音声解説には、むしろそんな危険もあるだろう。
(村上湛・明星大教授)




ロシア軍がウクライナに侵攻する前日の2022年2月23日。9千キロほど離れた米北西部のシアトル近郊で、ウクライナへのサイバー攻撃が察知された。
つかんだのは、マイクロソフト(MS)本社のサイバー攻撃を監視する部署「MS脅威インテリジェンスセンター」。ウクライナにある19の政府機関や、重要なインフラへの攻撃だった。
センターはすぐに「盾」をつくった。コンピューターの動作に不正を起こさせる「マルウェア」を特定するためのソフトをつくり、ウクライナに送る。3時間足らずのできごとだった。
「今回の戦争の最初の砲撃は、サイバー空間で放たれた。それを最初に目撃したのが我々だ」。MSのブラッド・スミス社長は5月、ロンドンでのイベントで胸を張り、過去の戦争の白黒写真を背に語った。
「(第1次世界大戦が起きた)1914年に人類の紛争は空へ、今年はサイバー空間へ移った」
米IT大手は、ロシアの侵攻前からウクライナ政府と連携し、サイバー戦の最前線の防御を担った。
グーグルはウクライナへのサイバー攻撃を監視し、侵攻前の1年間で数百のロシア政府関連の攻撃に警告を出していた。
侵攻1週間前の2月17日、ウクライナ議会は政府が持つデータの外部での保管を禁じる法律を改正し、国外移転を可能にした。
取材に応じたアマゾンのクラウド事業AWS幹部リアム・マックスウェル氏によると、同氏は侵攻当日にロンドンで駐英ウクライナ大使と会談し、データの国外移転策を話し合った。
その後、AWSのスタッフが3台の携帯型データ転送サーバー「スノーボール」と共にポーランドに飛び、そこからサーバーだけを陸路でウクライナに輸送。同国側の担当者と遠隔で連絡をとりつつ、データを欧州に運び出したという。
侵攻開始後、ロシア国内からウクライナ政府のウェブサイトに接続できないよう対策を施したのは、世界270以上の都市に拠点を持つ大手通信事業者「クラウドフレア」。同社は「個別案件には答えられない」と取材に応じなかったが、同社の関係者によれば、同社はロシアからのサイバー攻撃と、世界から集中するアクセスでサイトがパンクする問題から、政府サイトを守るための支援をした。
米国では2013年、ロシアに亡命した元米中央情報局(CIA)職員のエドワード・スノーデン氏による内部告発で、IT大手9社が政府が進める個人情報の収集に協力していたことが発覚。この時には政府とIT大手の「密約」に厳しい批判がわき起こった。
だが、ウクライナ侵攻や中国の台頭で地政学的なリスクやサイバー攻撃の脅威が高まる今、国家とIT大手の連携は強まり、企業側からも公に「成果」が強調される状況になっている。
「個人的に見ても、テクノロジー企業が国際紛争に関与することは、これまでなかった新しい傾向だ」
米IBMのサイバーセキュリティー研究機関「X―Force」で政府機関や企業のサイバー攻撃の調査を統括するニール・ワイラー氏はそう言う。
IT大手が国家の紛争に関与する意図はどこにあるのか。同氏は「利益を維持するために顧客が何を期待しているのか。それが動機になっていると思う。イデオロギーよりも、ビジネスが主導している」とみる。
MSの元幹部は「MSは政府にも製品を納入する。国も使っていれば、企業や家庭でももっと使おうということになる」と言う。
欧米の企業にとって、サービスの利用者の多くが「ロシアが悪い」とみる今回の侵攻でウクライナを支援することは、顧客評価を高める面でもメリットがあると、指摘する声も多い。
MSのスミス社長は米紙の取材に昨年、様々な国のサイバー上のインフラを提供する立場から「我々は国を守る責任がある」と話した。
そしてサイバー空間での巨大IT企業は、国家をしのぐ影響力を持っている。
新型コロナ禍の在宅勤務などで企業のデジタル化が進み、巨大なデータセンターを活用して情報を共有、管理するサービス「クラウド事業」が急拡大した。
首位のアマゾン、続くMS、グーグルの3社で世界のクラウド市場の7割近くを占める。企業だけでなく、日本を含む国家のデータ管理も担うため、機密情報を守る能力はビジネスの力になる。「MSは世界最大のサイバーセキュリティー企業だ」。匿名で取材に応じた同社幹部はそう話す。
MSは21年、米情報企業「リスクIQ」を買収。その技術で、ウィンドウズの利用者がさらされたウイルスや悪質メールなどの「脅威情報(スレットインテリジェンス)」を収集する。世界中の端末やクラウドサービスで集められるデータは1日24兆件にも上り、人工知能(AI)で分析する。
グーグルも昨年、米サイバーセキュリティー大手「マンディアント」を約54億ドル(約7200億円)で買収した。同社は、13年に中国のサイバー空間での諜報(ちょうほう)活動を調査したリポートを出して世界的に注目された企業だ。サイバー攻撃対応の部署「脅威分析グループ」のトップ、シェーン・ハントレイ氏はユーチューブでのインタビューで「多くの人がグーグルを何らかの形で使っている。利用者を守るため、我々はネット全体を守る必要がある」と話した。
企業を規制する立場にある国家も、サイバー分野ではIT大手に頼らざるを得ないのが現状だ。
米国のオバマ、トランプ両政権下で国家安全保障局(NSA)局長を務めたマイケル・ロジャーズ氏は取材に「サイバーセキュリティーの現実を見たとき、政府も民間企業も、自分たちだけで問題を解決できないとの認識がある。政府とIT企業の意思疎通は増えている。米政府は連携をより簡単にしようとしている」と言う。
米国では、爆弾の投下やサイバー攻撃など「力の行使」は政府が担ってきた。民間企業は「守り」に特化し、サイバー攻撃に使うツールも政府が中心に開発してきた。だが、「攻撃」の能力を高めることへの民間企業の関与が強まる可能性もあるとみる。ロジャーズ氏は「今後状況がどう変わるか注視している」という。(編集委員・五十嵐大介=サンフランシスコ、同・須藤龍也)

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