

原発を動かした後に生じる使用済み核燃料が各地で増え、燃料プールなどでの保存可能量の上限に近づいている。国内最多の3カ所7基の原発を動かす関西電力は状況が厳しく、このままいくと2028年度にも一部の原発で満杯となる恐れもある。
原子炉から取り出された使用済み核燃料は熱を持ち、放射線量が高い。そのため、近くにある燃料プールの水の中につけ、冷やしつつ放射線を遮るかたちで保管されている。
電力大手でつくる電気事業連合会が2月に出した、25年末時点の実績によると、廃炉が決まっている東京電力福島第一などを含む国内の17カ所の原発にある使用済み核燃料は、すべての燃料プールの保存可能量の78%に達した。
原発ごとにみると、90%超が福島第一、関電大飯(福井)、80%超は関電の高浜(同)と美浜(同)、九州電力の川内(鹿児島)と玄海(佐賀)、東電柏崎刈羽(新潟)など8原発だった。
約5年単純に運転したと仮定した場合、大飯、高浜、柏崎刈羽の3カ所が上限に達するとした。
このうち、柏崎刈羽の分については、冷めた使用済み核燃料を原発の敷地外で一時的に保管する「中間貯蔵施設」が青森県むつ市にあり、東電はそこへの搬出を始めている。
ただ青森県の宮下宗一郎知事は3月31日、中間貯蔵施設からの最終的な受け入れ先となる同県六ケ所村の再処理工場の完成が遅れているとして、現時点では26年度の使用済み核燃料の受け入れを容認しないとの考えを示した。
関電は、搬出ができずにいる。関電は、冷めた使用済み核燃料を、水を使わずに保管できる「乾式貯蔵施設」を3原発内で計画中だが、完成していない。このまま原発を運転しつづけると、高浜で28年度ごろ、美浜で29年度ごろ、大飯が30年度には、施設が満杯になり、運転できなくなるとしている。
約10年前の電事連の15年9月末のデータと比べると、関電の大飯、高浜、美浜の3原発はいずれも、保存可能量に対する実際の貯蔵量が20ポイント以上上がっている。増加幅は17カ所の中で最も高かった。
各地でこれほどたまっているのは、使用済み燃料を再利用しようとする国の計画が順調に進んでいないためだ。
国や電事連は、使用済み核燃料を、六ケ所村の再処理工場に運び、再び原発で使えるようにしたいとする。だが、工場は93年の着工後、完成の延期を重ねている。行き先がなくなり「目詰まり」が起きている状態だ。
関電は28年度からその工場に、福井の原発の使用済み核燃料を運び入れる計画を立てているが、工場の完成や処理の開始が少しでも遅れれば、その分だけ影響が出る。
関電はまた、27年度から再処理を委託するフランスの原子力企業へ搬出するほか、30年ごろには福井県外に中間貯蔵施設をつくって操業させるとしている。
山口県上関町で中国電力が計画している施設が有力視されているが、周辺自治体などから反発が起きている。















